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2.神秘体験とテロ

二〇〇九年二月二十七日付の過去の記事が目にとまった。
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松本サリン事件の被害者河野義行さん(五九)が、オウム真理教元幹部井上嘉浩被告(三九)=二審で死刑判決受け上告中=に二七日午前、東京・小菅の東京拘置所で面会した。
河野さんがオウム事件の被告に面会するのは初めて。井上被告は「とても反省している」と謝罪し、「一日一日が学びの日々」と話したという。
河野さんによると、面会は約二五分。井上被告は白っぽいトレーナー姿で、接見室で顔を合わせ、お互い深くおじぎをした。
河野さんが教団に入った理由を尋ねると、井上被告は「神秘体験がしたかった。ヨガをやっていてのめり込んだ。真理を求めるためだったのに、事件にかかわってしまった」と反省の言葉を述べた。
今後どうしたいかとの問いには「不自由だが、学びがある。一日一日を大事にしたい」と答えたという。
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「神秘体験がしたかった」と語った井上被告(死刑確定)は、オウムでも群を抜く神秘力の持ち主だった。
神秘体験とは、クンダリニーとよばれる、人間に眠っている霊的エネルギーの覚醒とともに起こるさまざまな体験のことだ。「霊能力」「超能力」「神秘力」「神通力」どういってもいい。オウムにいた人に、「神秘的な能力、霊的な能力が高かった修行者はだれか」と質問すれば、多くがアーナンダ師の名をあげるだろう。「アーナンダ」は井上被告の宗教名(ホーリーネーム)で、ブッダの十大弟子の一人阿難陀に由来している。
神秘体験にひかれていた井上被告には際立った霊性があり、修行をすることでさまざまな神秘体験をした。「ヨガ」にのめり込み、「真理」を求めていたつもりが、「事件」にかかわってしまったと彼は言う。「神秘体験」「ヨガ」「真理」、そして地下鉄に猛毒サリンをまき、無差別に人を殺す「テロ」。
これらをつなぐものは、短い新聞記事からはなにも見えてこない。


2015年02月21日

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