早川さんのアンケート回答

死刑が確定すると、数人の決められた人としか面会や手紙の交流ができなくなり、死刑囚の今の思いは世間には伝わってこないものですが、「死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90」と福島みずほ参議院議員が組んで、これまでに三回死刑確定囚のアンケートをとり、以下の本にまとめています(インパクト出版会)。これらは死刑囚の思いを伝える数少ない記録です。

命の灯を消さないで―死刑囚からあなたへ 105人の死刑確定者へのアンケートに応えた魂の叫び』(2009/4)
死刑囚90人 とどきますか、獄中からの声』(2012/5/1)
死刑囚監房から―年報・死刑廃止〈2015〉』(2015/10)

オウム事件で死刑が確定した人たちのなかにも、このアンケートに答えている人がいます。早川さんは、2012年のアンケートで量刑に対する不満や死刑制度に反対する考えを、2015年のアンケートでは、不自由ななかでも穏やかに日々を過ごされている様子を書かれています。

■2012年アンケート回答の一部
「・・・正直いって、私の量刑判断には不満です。私が命令したわけでもなく、私が直接この手で殺したわけでもないのに死刑かという思いがあります。確かに共同正犯としての責任はあります。事件そのものは許しがたいものであり、死刑が当然というのもわかります。しかし、単独での殺人がすべて死刑ではないように、許しがたい事件の共同正犯がすべて死刑かというと、そうではありません。現に、林郁夫は、共同正犯として12人を殺し、自分の手でも2人を殺していますが、死刑を求刑すらされず、無期判決です。一方、自分の手では殺していない横山真人や私は死刑です。いったいこの差は何なのでしょうか。死刑か否かという重大な判断において、その基準となるものは、極めてあいまいです。単独犯においても、一応永山基準というものがあるものの、あいまいなものです。このような、あいまいさを含んだ死刑制度のもとでホイホイ執行していくことが正しいことでしょうか。江田法相のように、慎重に対応する姿勢こそが、正しいことだと訴えたいです。・・・・」(『死刑囚90人 とどきますか、獄中からの声』p104)

■2015年のアンケート回答より
「ブッダを思うと心が安らぎ
キリストを思うと力づけられる
傷つけた人を思うと心が痛み
愛する人を思うと心がなごむ

朝の一瞬がすぎていることに気づいてホッとし
新聞を見てドキッとしたりする

呼吸に気づきをむけると歓喜に満たされ
瞑想すると寂止に入る
寂止は一時の解放、一時の救い
常に心を観察し、その本性をさぐる
二四時間気づきが続けば
死んでも気絶しない
そうなるのが早いか
死ぬのが早いか

修行ができれば 監獄も僧院」

●獄中生活で一番楽しいこと、嬉しいことはなんですか。

「どれが一番かは決めがたいが、瞑想、修行、家族、友人との交流、読書、月四回のDVD視聴、日光浴など。また、めったにないが、運動の時にめずらしい小鳥がすぐそばまで来て鳴いているのを見たりするのは、うれしく楽しい。」
(『死刑囚監房から―年報・死刑廃止〈2015〉』p84)



2017年06月17日

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コメント

No title

最近のことながら 固定軸をもたないでなんだか夢遊病のようにここのサイトに話をしてたのがわかりました。皆様に幸あれ。
  • | 2017-07-11 | 三橋 URL [ 編集 ]

No title

掲載してくださってありがとう。

早川さんの意見と状態を知ることができました。
  • | 2017-07-12 | U URL [ 編集 ]
      

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