14.最高のイニシエーション

オウムにはさまざまなイニシエーションがあった。
なかでも信徒に直接触れてエネルギーを移入するシャクティーパットは、当時最高のイニシエーションといわれていた。エネルギーといっても、目で見ることも鼻で嗅ぎ分けることもできないが、それを感じさせる貴重な映像がある。教祖が日本テレビの番組に出演し、シャクティーパットを公開したものだ。

教祖は数人の弟子とスタジオに登場する。番組司会者の片岡鶴太郎がいろいろな質問をして、最後にシャクティーパット・イニシエーションの実演になる。
一人の女性がスタジオの床にあお向けになる。教祖は意識を集中し、彼女の眉間にあてた親指に力を入れ、ぐるぐると指の腹を回転させはじめる。すぐに女性の身体に変化が起こる。身体が小刻みにブルブルふるえてきたかと思うと、身体全体が激しく振動しはじめる。振動はさらに大きくなり、バタバタッ、バタバタッと、横になった人間が自力でたてることは不可能な奇妙な音をたてる。
司会の鶴太郎やゲスト出演者や観客が、息を呑んで目を見張っている。映像を見ていた私もびっくりして、一瞬テレビカメラが大きくぶれたように思った。スタジオのだれも予期しないことが起こっていた。見てはいけないものを見たような、驚愕と畏怖につつまれたスタジオの異様な雰囲気が映像を通じて伝わってきた。

これは神秘家たちが語る、人体にねむるクンダリニーというエネルギーの存在をうかがわせるものだ。クンダリニーという言葉は、ヨーガの教典や神秘家の著作で目にするだけで、一般ではほとんど耳にすることはない。テレビで公開されたデモンストレーションで、被験者の身体が激しく振動する様子から、女性の内側で制御できない強烈な力がはたらいていることが見てとれる。
しかし、クンダリニーなどという話をしても、ほとんどの人は耳を傾けないだろう。テレビでの実演を見なければ、クンダリニーに興味をもたない。映像を見て驚いたとしても、数分間のテレビの映像はスイッチを切ればすぐに忘れてしまう。自分が現実に直面していなければ、存在しないのと同じかもしれない。

だから教祖は言ったのだろう。
「体験させなさい」と。

※1987年5月3日放送「鶴太郎のテレもんじゃ」


2015年03月06日

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